- 2020年3月21日
- 母の経験談
培養士の濱田です。
今回は、私事になりますが私の母の経験についてお話しさせてください。
母は、私を38歳で出産しました。年齢的に、高齢出産といわれる年齢です。
1人目を流産で亡くしその後10年以上の治療の末、私を産んでくれました。
この10年以上の治療というのが今でいう不妊治療です。
当時の母の通う病院は、当クリニックのように採卵や顕微授精を取り扱って
いなかったため、人工授精(AIH)での治療でした。
そのため長期間毎日、病院に通い注射や検査をし、何度も試したそうです。
注射はやはり痛く、薬の副作用で体がしんどくなることもあり、その都度
なかなか結果が出ないことに落ち込み、悩むことも多かったと話してくれました。
10年以上も通い続けると父と
「この年齢になるまでにできなかったらあきらめようか・・・」
と不妊治療の区切りについて話すこともあったそうです。そうやって、
話していた時ようやく私を授かることができました。
「何度も諦めそうになったし、自分を責めることもあった。だから、できたときは
本当にうれしかった。でも、もしも今回がダメだったら2人で相談した年齢まで
頑張ってそのあとは悲しいけど諦めようと話していた。」
とも話してくれました。
そんな思いの中で長期間、頑張れたのはどんな選択であっても2人で話して
こられたからだといいます。
現在は、選択肢も増え母の時代よりも、妊娠により近づける方法が多く存在
しています。
ですが、その多くの選択肢の中から最終的に決めていくのはご夫婦自身になります。
そのため、お互いに忙しく話し合えないこともあるかとは思いますが、1人で
悩まずご夫婦で常に話し合って進めていってください。
我々培養士も、患者様の選ばれた選択に応えられるよう努力していきます。
また、ご夫婦で話し合われた中でのご質問や心配なことがありましたらいつでも
気軽にご相談ください。
濱田