- 2019年1月15日
- 胚の評価について
新年になり早くも16日経ちましたが、あけましておめでとうございます。
培養士の濱田です。
皆様はどのようなお正月を過ごされたのでしょうか。
私は、故郷に帰省していました。地元は、年末の寒波で一面が雪景色になっていました。
↑実家の窓から撮った写真です。
さて、昨年末から特定不妊治療に入る前の段階で培養士によるART説明が始まりました。
今回は、その話の中やARTをしていく上で皆様がよく耳にする「卵の評価」についてお話していこうと
思います。
採卵当日→こちらの画像は、採卵後周りの細胞を取り除いた状態になります。
左端にある小さな細胞を極体といい、極体が確認された状態が成熟している印になります。
1日目→母親と父親の核が確認できます。この状態が受精しているということになります。
そのため、精子が卵子内に侵入した段階では受精とはなりません。
2日目、3日目→1つだった細胞がどんどん分裂していきます。
4日目→分割していった細胞が1つになっていきます。この状態を桑実胚と言います。
5日目→ここでようやく皆様がよく目にする完成形の胚盤胞となります。
※これは、あくまで目安になるので個人差があります。また胚とは、受精後の卵のことを
言います。
私たち培養士は、この育てている過程で目視によって卵の評価を行い、その後の培養方針を
考えています。まず、分裂している段階の胚では大きく2つのことに注目して評価しています。
1,細胞の数
2,綺麗に分裂できているか(評価を5つに分けて分類しています:Veeck分類)
↑例えばこの胚だと4細胞期胚のグレード1(均等に分裂している)
次に、胚盤胞では途中の胚とはまた異なる視点から評価を行っています。
1,育ち具合(1〜6に分類しています:Gardner分類)
2,胚を構成する2ヶ所の細胞の数(評価をA、B、Cの3つに分類しています:Gardner分類)
これは、あくまで目視の評価であるため遺伝的な問題を確認することはできません。
また、評価の段階であまりよくない胚であっても体内に戻すことで回復してくる可能性があります。
やはり、一番卵にいいのはお母さんのお腹の中なので評価はあくまでも選択の1つにしていただければと思います。
このように私たち培養士は、1つ1つの大事な卵の様子を見守っています。
今回は、省略しながらお話しているので詳しく知りたい方、何か不安なことや、わからないことがありましたらいつでも培養士にお声掛けください。