IDAクリニック産婦人科

 
2018年10月11日
rescue IVMについて

培養士の濱田です。

今日は、rescue IVM(体外成熟培養)という技術についてお話しします。

よく耳にするIVMは、通常よりも卵胞が小さい時に採卵を行い、未熟な卵子を

最初から目的とした培養を行う技術をいいます。

 

採卵した卵子の中には、まだ完全に成熟しておらず未熟なままの卵子もまれに存在します。

これらの未熟な卵子は、成熟した卵子よりも顕微授精を行った際の受精率、発生率ともに

極端に低くなります。

今回お話するrescue IVM は、そのような未成熟卵を受精可能な状態(成熟)へと

誘導する技術になります。

 

採卵した直後の卵子は、周りに多くの細胞がくっついており、顕微授精の場合、

この細胞を取り除きます。

成熟している卵子は、極体という染色体等を含んだものを透明体内に放出しています(下図参照)。

逆に、放出していない卵子は、まだ発生段階であるためこのような卵子を未熟卵といいます。

 

通常、成熟卵子は確認後、顕微授精され、未熟な卵子は自力での成熟を待った上で

穿刺しますがrescue IVMを行うことにより卵本来の力に加え、成熟を促していくため

以前よりも成熟しやすくなります。

 

十分に成熟させた後顕微授精を行うため、受精率、発生率ともに未成熟な時

よりもよくなると報告されています。

しかし、IVMによってすべての卵子が必ずしも成熟するわけではありません。

ですが、これにより少しでも多くの胚を獲得することができると考えられるので、

将来的には、当院でも導入を考えています。

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