- 2018年8月27日
- ホルモン補充療法について
最近更新が滞り気味ですみません。
今回はホルモン補充療法について記したいと思います。
一般に「更年期」とは閉経の前後5年間のことを指します。
その期間は卵巣機能が衰えてくるとともに、女性ホルモンの量が不安定になり様々な症状が現れます。
月経が不順になったり、不正出血が起こったり、身体的な症状では肩こり、頭痛、めまい、ホットフラッシュ(のぼせ)、発汗、うつ症状などが有名なところです。
これらの症状により日常生活が障害される状態を「更年期障害」といい、治療の対象になります。
もちろんこれらの症状が器質的な疾患(腫瘍や内蔵機能の不調によるもの)などであれば、そちらの疾患の治療が必要になりますが、身体的に明らかな異常を認めない場合には更年期障害としてホルモン補充療法や漢方などで治療していくことになるでしょう。
ホルモン補充療法では更年期障害の緩和ができることに加え、骨量減少の緩和、脂質異常症や糖尿病、高血圧を改善する効果も指摘されており、更年期障害がない方でも閉経前後からのホルモン補充療法をお勧めいたします。
副作用としては、血栓症や、ホルモンに反応するがん(乳癌、子宮体癌)の発生リスクがホルモン補充していない方に比べごく軽度上昇するとは言われておりますが、適切な処方と検診でリスクを低減することができます。
これらの副作用よりも、メリットのほうが大きいということで産科婦人科学会や日本女性医学学会からも推奨されておりますので、気になる方はいつでもご相談ください。