- 2018年4月12日
- 染色体のはなし
「染色体とは」と検索すると、「細胞内に含まれるデオキシリボ核酸(DNA)を主成分とした自己増殖のある小胞体」など、大変わかりづらい単語で説明されているので、さっぱり理解しがたいですね。ヒトの染色体が46本であることが発見された1956年から半世紀以上経つのに、認識がされていないだけでなく、検索しても分かりにくい解説ばかりで、少し残念な気がします。
「染色体」はヒトの設計図です。その設計図は雑然と細胞の中にあるのではなく、ち密に製本されて、本棚に整然と並べられています。その46冊の本が「染色体」です。その本の1冊や一部が欠けたり、多かったりすると異常が起こることになります。ヒトの設計図の本が46冊あり、欠けたり多かったりしないかを調べるのが「染色体検査」です。
染色体をよく見ると、しま馬のように白黒の模様があります。その模様の並び方は1番~22番染色体とX染色体、Y染色体で決まっています。そのシマ模様のどの位置にどういった遺伝子が存在するかもわかってきています。そのシマ模様のパターンで9番染色体の一部と22番染色体の一部が入れ替わっていても、その異常をみつけることができます。ちなみに、9番と22番が入れ替わっている異常は慢性骨髄性白血病(CML)の細胞で起こる染色体異常です。
このように、目でみることができる遺伝が「染色体」です。少しでも、「染色体」に興味をもっていただければ幸いです。
清水
おまけ
今年もクリニックのガーデンに苺の花が咲いています。見に来て下さい。きっと赤い実をつけてくれると思います。