IDAクリニック産婦人科

 
2019年5月20日
息子とともに

今回は息子のことをお話ししようと思います。少し長くなります。

私の息子は18歳、ダウン症です。生後1ヶ月で腸の回転異常で手術、入院。そのまま十二指腸狭窄も判明しました。退院は生後5ヶ月半でした。

退院後は、それまでのことが嘘のようにたくさんミルクを飲み元気になりました。

1歳半になった4月から療育施設、2歳半からは地域の保育園に通いました。そして、地域の小・中学校の育成学級、支援学校高等部に進み、今年4月から就労支援B型の事業所へ週5日間通ってお仕事を始めました。

息子が産まれた時に顔立ちから何となく気づき、1ヶ月健診で確定し、腹部の異常が判明してそのまま入院となったので、最初はもう気持ちも身体もぐちゃぐちゃでした。それまで描いていた未来を全て諦めなければならないと、これからのことが全く見えなくなりました。でも息子はやっぱりかわいいし、小さな体で頑張っている姿を見ると心配と不安ではじめは毎日泣いていました。手術後、医師から「将来、幼稚園で水着を着たときに傷痕が見えないように少し下の方を切りました。」と言われ、(幼稚園まで生きられるの?)と正直思いました。そんな時に主治医がダウン症についての説明と親の会を紹介してくれました。その親の会のリーフレットに載っている子供たち、1年生になり赤いランドセルを嬉しそうに背負っている子、お兄ちゃんとサッカーをしている子、海水浴場での家族。みんなとても良い顔をしていました。その写真を見てすうっと心が落ち着きました。「みんな可愛いし楽しそうやん!」

ダウン症の特徴の通り成長はゆっくりでした。「子育てを少し丁寧にするだけ。あとは何も変わらないよ」親の会の代表者さんに言われた言葉です。本当にたくさんの方に関わり、助けてもらいながら笑ったり泣いたり悩んだりしながら私も一緒に楽しく元気に成長しました。

保育園を選ぶ時に一番考えたのが将来のこと。「将来はできるだけ自立して、仕事ができるようになってほしい。その仕事が自分の好きなことなら最高!」ということでした。そのために早くから保育園に通い健常児と共に過ごせるように。そしてそのお友だちと同じ学校に通え、地域のみなさんにも知ってもらい、地域の中で育つようにと全て地域の学校を選びました。そして3月に卒業しました。

とにかく明るく人と接するのが大好き。色んなことに興味があり、今はスマホでたくさんの情報を集めては教えてくれます。謝るときはLINEで謝ってきたりします。食べることが大好きで運動は苦手。でも嵐が大好きでダンスを完コピしては踊っています。先日の母の日には、初めてのお給料でおちょこをプレゼントしてくれました。嵐のメンバーカラーの5色です。20歳になったら自分もこれでビールを飲むそうです(笑)

これからも、笑ったり泣いたり悩んだり色んなことがあると思います。正直大変なところもありますが、可愛い息子と一緒に楽しく過ごしていきたいと思っています。

松井2

看護師 松井

 

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