IDAクリニック産婦人科

 
2018年11月14日
避妊法について

前回経口避妊薬(OC)について書きましたので、その流れで今回は避妊についてお話します。

 

皆さんが医療機関にかからずにできる避妊法で思いつくのは、やはりコンドームでしょうか。

コンドーム(避妊効果*:2)

〇利点

・コンビニにも売っており入手が非常に容易

・行為の時だけ使用すればよい

・感染症の予防に非常に効果的

〇欠点

・使用中の脱落、破損

・女性主体で避妊できない

 

*避妊効果:理想的な使用法で、使用開始後1年間の妊娠率

コンドームの理想的な使用法に、脱落や破損による失敗は含まれていないため、失敗が多い場合避妊効果は18ほどになるようです。避妊効果としては高いわけではないですが、感染症を予防するにはコンドームの使用しかないと言ってもいいでしょう。この一点で使用する価値が十分にあると思います。

 

次に一般的なのがOC(経口避妊薬)です。

経口避妊薬(OC) (避妊効果:0.3)

〇利点

・比較的入手しやすい。(産婦人科受診、インターネット通販(おすすめはしません))

・女性主体での避妊ができる

・避妊効果が非常に高い

・月経に関連する辛い症状が緩和できる(この場合保険薬が使える可能性があるので産婦人科で相談を)

〇欠点

・毎日服用しなければならず、服用忘れがあると避妊効果が減弱する可能性がある。

・喫煙・高齢・肥満などにより、血栓症のリスクが上昇する。

・飲み始めの時期に、頭痛・嘔気・浮腫・不正出血などの副作用が出現する可能性がある。

 

何と言っても高い避妊効果と月経関連症状の緩和により、女性の生活の質を高めることが期待できます。

喫煙している人は要注意です。できるだけ禁煙するようにしてください。

 

そしてあまり一般的ではないけど、最近特にお勧めしている方法が子宮内避妊器具です。

子宮内避妊器具(IUD)/子宮内避妊システム(IUS) (避妊効果:0.6/0.1)

〇利点

・約5年にわたり、避妊効果を維持でき、毎日の内服の必要もない。

・子宮の局所に使用するので、全身的な副作用がない。(喫煙者でも問題ない)

・IUSについては、月経痛や月経の出血量を抑える効果が高い。

・挿入時の費用は高めだが、OCを飲み続けることを考えると経済的。

〇欠点

・挿入時に痛みがある。

・挿入後1~2か月くらい不正出血や軽度の痛みがある。

・子宮筋腫などにより内腔の拡大や変形のある方は、IUD(IUS)の脱落が起こりやすい。

・子宮外妊娠の既往がある人には使用できない。

 

挿入時と挿入後数か月は不具合が起こりやすいが、その時期を乗り越えて長い目で見ると忘れていられる期間が非常に長いことや全身的な副作用がないことが利点と思われます。子作りが終わった方などは特にお勧めです。

 

あとはどうしても事故というものは起こるものですので。

緊急避妊薬(モーニングアフターピル)

〇利点

・行為が終わった後で使用できる。

〇欠点

・Yuzpe(ヤッペ)法では頭痛や嘔気などの副作用が強い。

・避妊効果(その周期で妊娠を回避できる可能性)がYuzpe法で50-60%、ノルレボ錠で80%程度。

 

とても確実とは言い難い避妊効果ではありますが、行為の後ですので仕方がありません。

あくまで緊急使用であって、これに頼っていればいつか妊娠します。

上記の避妊法を使用し、普段から避妊しておくことをお勧めします。

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