- 2023年10月23日
- 当院でお渡しする同意書についてのお願い
最近テレビやネットで話題となっているニュースがあります。
『都内病院「ドナーの権利脅かす」夫の死伏せ提供精子で妊娠に見解
内容は生殖補助医療を受けた患者様が、第三者から提供された精子を用いて作成した受精卵を
夫が亡くなった後に移植したというものです。
こちらの何が問題とされているのかというと、
治療をされる際の同意書に『夫婦のどちらかが亡くなった場合に受精卵は破棄する』と
約束をしていたにも関わらず、それを知っていながら黙っていたということです。
(詳しくは当該施設の公式ホームページから見解をご覧ください。)
※当院では第三者が関わる治療は行っていません。
我々の行う生殖補助医療という分野はまだ法整備の行き届いていないところがあり
それにより海外よりできることが限られているという欠点があります。
そんな状況でも今日まで多くの治療実績と新しい命を授かることができているのは
医療現場と患者様の信頼関係があってこそだと思います。
このようなことが続けば、どんどんルールが厳しくなり、
極端に言えば『移植当日に夫は必ず同席』なんてルールができてしまう日も来るかもしれません。
厳しいルールは安心ではありますが、同時に患者様が治療を受けづらくなってしまう可能性もあります。
今回の報道を見て、当院でも提出書類のチェックを徹底するとともに
ART説明会におきましても同意書の重要性を今一度しっかりと説明することとしました。
治療には複数の同意書を提出して頂く機会がありますが
・名前が記入されていない
・ご夫婦のどちらかの名前が記入されていない
・ご夫婦の一方が2人分名前を書いている
など書類不備が散見されます。
同意書はご夫婦が治療内容を確実に理解した上で治療を受ける意志があるということを
病院に伝える重要な書類です。
これらの不備は見つけ次第ご本人に確認を取らせて頂きますので
書類をご準備される際はご注意して頂くようお願い致します。
患者様との信頼関係を大切にし、今後も診療させて頂きますので
ご協力の程よろしくお願い致します。
培養士 林