IDAクリニック産婦人科

 
2018年3月22日
不妊治療のゴール

培養士の林です。春も近づいてきて過ごしやすくなってきました。

前院長曰く春は気持ちよくて子供ができやすい時期だそうです。

この季節が1人でも多くの不妊患者さんの背中を押してくれたらと思います。

 

今回私がお話ししたいのは『不妊治療のゴール』とはどこなのか、です。

不妊治療のゴールは陽性反応が出た時点ではありません。

尿検査でわかるのは体が妊娠に対して準備を始めたということだけで、

まだちゃんと赤ちゃんがいるのかはわかりません。

では尿検査から1週間後に赤ちゃんの袋(胎嚢)が見えたらゴールでしょうか。

確かに不妊治療としてはそこでいったんゴールといえます。

実際に日本産科婦人科学会の症例報告では胎嚢を確認するところまでを登録します。

しかし私はそこから流産などによって赤ちゃんを失ってしまったケースも見てきました。

それは不妊治療での妊娠でも自然妊娠でも一緒です。

そのため私は不妊患者さんが無事妊娠されてもいつも妊娠が継続しているか気にするようにしています。

よく無事妊娠された方から

「旅行を計画していたのですが行かないほうがいいのでしょうか?」

「重たいものを持ち上げても大丈夫でしょうか?」

と聞かれることがあります。

こちらからはあれをするな、これをするなと具体的な指示をすることはできませんが

私は心配のもとになってしまうことは避けたほうがいいと考えています。

万が一赤ちゃんが失ったときに心当たりのあることをしていたら、

自分を責めずにいられないと思うからです。

 

不妊治療のゴールは胎嚢を確認するまで。

でもそこから今度は妊婦さんとして新しいスタートです。

赤ちゃんに会えるその日まで油断せずにもう少し頑張ってみましょう!

当院ではお産はしていませんが妊婦検診や羊水検査など不妊治療を終えても

妊婦さんをサポートすることができますので気軽にご相談ください。

 

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