IDAクリニック産婦人科

 
2018年1月29日
遺伝リテラシー

  遺伝の疾患を患った人は家族にとって決してかわいそうで気の毒でないこと、突然変異は一定の頻度でおこり、だれでも疾患児の親になり得ることなど、遺伝に対する正しい知識を持つことが社会に求められます。
  遺伝医療は、限られた人達だけがその恩恵を受けるのではなく、遺伝の疾患を患った人にもやさしい社会をつくることも使命であると考えます。生活の中で遺伝に関わる知識や考え方を学ばせよういうのが遺伝リテラシー教育であり、学校教育や市民教育に取り入れられています。
  遺伝リテラシーで重要なことは、人の多様性を認識することだとされています。例えば、流産などの困難なハードルを越えて、選ばれて生まれてきたと言えるダウン症は障害児ではありません。合併症などを克服すれば、発達が緩やかですが、基本的には個性豊かな普通の子、普通の人間です。社会や家族が温かい気持ちで接し、愛情を注ぐことで明るく育っていくことができ、社会で活躍している人たちもたくさんいます。しかし、言葉では理解していたとしても、なかなか生活の中で当たり前にするには難しいことだと思います。
  これからも、正しい認識のもと、患者さんができるだけ納得がいく選択ができるよう、質の高い情報提供を目指していきたいと思います。

清水

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